私たちの考える “詐欺医療” とは

「金銭などを目的として行う、病気に対して効果がない、または患者さんにとって有害な医療」のことを、私たちは “詐欺医療” と呼んでいます。この詐欺医療は、社会に発生してしまう「病気」のようなものです。がんのように多彩な顔を持ち、社会の中に感染症のように広がっています。

詐欺医療という病は、1つの薬で治せるわけでないですが、社会として対抗するシステムを組むことで、詐欺医療を確実に減らしていくことができると考えています。

私たちの扱う “詐欺医療” の範囲

私たちが戦うべき “詐欺医療” の範囲です。それは大きく二つの軸から考えます。

・有害性:生命・人生に及ぼす影響(身体的損失・経済的損失)

・広範性:公衆衛生上の影響(被害人数、被害回数など)

これらの影響を総合的に見て下記の範囲に相当する医療を主な対象としています。

サギプロの扱う “詐欺医療” の範囲

上記の要件を満たし、かつ根拠も必然性もない医療を優先的に取り扱います。

“詐欺医療” が存在してしまう理由

なぜ詐欺医療が存在してしまうのか?という点についてご説明します。

患者さんの不安が利用されてしまうこと、詐欺医療に携わる医師が減らないこと、そしてそれを強く罰することができない社会の仕組み。それぞれに、詐欺医療の原点があります。

詐欺医療が存在してしまう理由

① 患者さんの治療への「不安」が利用されてしまう現状

残念ながら、がん治療においてその時点において最もよく効く治療(標準治療)であっても、患者さんによっては治らなかったり、副作用が強いものもあります。ただ、そうした不安を逆手にとって、「標準治療ではダメだ」、「食事とサプリで綺麗に治る」などと吹聴し、患者の病状を悪化させながらも高額な治療費を請求する悪徳クリニックが後を絶ちません。言葉巧みに「効く」と主張することは簡単ですが、科学的に「効かない」と証明することが難しいからです。

② 医師の立場から見た、詐欺医療への誘惑

医師にとっても、詐欺医療は2つの誘惑があります。1つ目は金銭的に魅力的であること。詐欺医療は正規の薬を使うことはなくサプリなどで原料が著しく安いものを数百倍の値段で販売したり、正規の薬でも必要量の百分の一程度しか用いないで通常の料金を請求したりするので、利益率が高く、いわば楽して稼げてしまうのです。

2つ目は医師としての能力が低くても可能なこと。通常の保険診療は疾病に対して高いパフォーマンスを出すために世界各国で研究が進み、常に勉強をし続けなければより良い医療が提供できません。また、周囲の医師の目に晒されているため、世界に遅れた治療をしているとすぐに批判をされます。

詐欺医療は独特な医療を個人クリニックやそれを専門とするクリニックチェーンが行なっている場合が多いため、まともな医師たちの視界に入りづらく、いわば「何をしても批判されない」状況です。

③ 詐欺医療に歯止めをかけることができない社会の仕組み

本物の医師免許を持っていることで、(医師の間では噂されるものの)今までは公に咎められることはありませんでした。ただ最近では、刺激的なタイトルの著書を多数出版したり、ネット広告で患者さんを集めるようになりました。そして来院した患者さんに明らかに虚偽の説明をして、詐欺医療に陥れている現状があります。

これは、「医師の裁量権」が大きすぎることが理由と考えています。医師の裁量権とは、「医師が患者のために最も有効だと判断した医療行為を、医師の判断において実施することができる権利」のことで、保険外の医療や、通常の使用法とは違う薬の使い方などをしてもよい権利です。

もちろん説明義務はありますが、説明義務違反でも民事裁判で軽度の賠償を求められる程度で、歯止めをかけられるものではありません。